日経平均は本日も年初来高値を更新と絶好調の一方、マザーズ指数は昨日から反落し、先週同様ハイテク株売りバリュー株買いの相場となりました。
今日は航空会社日本航空、ANA HDともに前日から大きく値を伸ばし、特に日本航空については前日比10%超えの大幅上昇を見せました。
日本航空はここ最近良/悪両方の材料が入り混じりかなり激しい値動きをしています。興味があっても怖くて今はなかなか買えないと言う人も多いと思います。
今回は日本航空をテクニカル面から分析し、この急騰に飛び乗るべきかどうか考えていきます。
日本航空について
- 株価:2215円(前日比+10.2%)
- 時価総額:7468億円
証券会社のNISA人気銘柄ランキングでも常にランキング上位に来る個人投資家大好き銘柄。保有する株数に応じて貰える優待航空券目当てに長期で保有している方も多いと思います。
連日の報道でご存知の方がほとんどだと思いますが、航空会社は新型コロナウイルスで最も打撃を受けた業種の1つです。直近11月に発表された決算で、2社とも今年度は数千億規模の赤字が見込まれる事が発表され、存続を懸けた懸命なコストカットや資金調達を行っています。
GoToトラベルなどで国内旅行の需要は回復しつつあったものの、感染者の数が再び増加傾向にありGoToは政府の見直しが入るようです。海外に至っては欧米を中心に引き続き新型コロナによる死亡者重傷者数の増加が続き、一部の国で再びロックダウン(都市封鎖)の措置が取られています。国際線の本格的な運航再開はワクチンの開発状況や流通度合いに委ねられている状態と言えるでしょう。
テクニカル分析
注目点は以下2点です。
- 11月9日、公募増資の発表を受け株価急落
- 翌日、アメリカの製薬会社が開発中のワクチンの有効性についての報道を受け急反発
公募増資は銀行などからの融資と並んで、資金調達の手段の一つとして利用されます。借金ではないので返す必要のないお金ですし、財務諸表的にも増資で得たお金は「純資産」として計上されます。一方、新しく株を発行することによって、一時的に1株あたりの価値が減る事を懸念する投資家が増え、短期的には株価の下落に繋がりやすいです。
11月9日はあわやストップ安かいうほど大幅に下落していますが、おそらく新しく発行される株の数が、ファンダの専門家から見て相当な株の希釈化に繋がると判断されて、機関の大量売りが入ったのだと思います。
テクニカル的に注目なのは、この日のローソク足が長い下ヒゲをつけて引けている事と、圧倒的な出来高の増加です。一時1600円を割り込む程売りが続く状況から、一転してこの価格帯での買いが殺到した事を意味しています。
翌日、アメリカでのワクチン開発がどうやら順調に進んでいるらしいとの報道から、経済活動の本格再開が期待され、今度はストップ高までいくのではと思わせる大暴騰。こちらも比較的長い下ヒゲをつけ、出来高はそれまでの平均を大きく上回っています。短期的な利益確定売りがありながら、2100円前後で沢山の投資家が買っていたことになります。
1600円前後で株を買った投資家は9日以降はずっと含み益状態が続いている一方で、2100円前後で買った投資家がチラホラ「高値掴みだった」と判断して損切りしていた、10日以降はそんな状況だったのではないかと思います。
今日の大幅上昇を受けてこの2100円前後ホルダーも全員含み益で精神的に安心できる状態に入ったので、今後は2000円が一つの節目として意識されそうです。
この値段を割り込むことなく株価が上昇に転じてくれば、先行きの見えない中でも、株価が将来の業績回復を織り込んでいることになりそうです。
まとめ
まだまだ不確定要素が多くどうなるか分かりませんが、資金に余裕があるなら今後2000円を目安に少しづつ買い集めてもいいのかなと思ってます。ただし、損切りは厳密にやりましょう。
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